官能小説読み上げライブ

官能小説をライブで読み上げるイベントを企画しています。以前、某バーで内々で開催したところ、好評だったので、再度、開催したいと考えております。詳細が決まりましたら、ホームページで告知させていただきます。参考までに、以下、スケジュールです。

  • オープニング、読み手の紹介
  • 第1話
  • 休憩(読み手入れ替え)
  • 第2話
  • 休憩(読み手入れ替え)
  • パネルトーク(Q&Aセッション)
  • 第3話
  • 休憩(読み手入れ替え)
  • 第4話
  • クロージング、次回予告
  • 即売会(随時解散)

読み上げライブの特長

特長1:ライブの臨場感

朗読ライブでは読み手の息遣いまでもが伝わってきます。合成音声や機械的な読み上げに満足できない人は是非ご参加ください。きっとご満足いただけるはずです。官能小説には様々な楽しみ方があります。部屋で一人で読み耽るのも楽しみ方のひとつですが、たまには人に読んでもらうのも良いのではないでしょうか。体験談の告白として読み上げてもらうのはなんとも淫美で、官能という言葉にふさわしいです。

特長2:読み手のバリエーション

女性が自らの体験のように読み上げます。プロの読み手から素人の読み手までバリエーション豊富です。プロだけの読み上げですと、あまりにも完成度が高すぎて興奮しないという意見も耳にします。素人の読み手を中心にキャスティングしています。詰まりながら読む様や恥じらいながら読む姿に興奮すること間違いなしです。

特長3:オリジナル原稿

読み上げに適したオリジナル原稿をご用意しました。二人称ではなく一人称で語流よう執筆しています。女性が体験談を告白する形式で書かれていますから、女性が読み上げするとぴったりとハマります。過去の過ちを罪悪感を持ちながら告白している様子が、妙に興奮します。

読み上げライブ誕生ストーリー

朗読ライブサービスを始めるまでの道のりは決して簡単なものではありませんでした。魅力的な読み手を見つけること、ライブ会場の手配、オリジナル原稿の執筆依頼など、どれをとっても容易ではありませんでした。事実、サービス開始までに3年という長い年月がかかりました。

読み手も大切なのですが、原稿の執筆依頼はなかなか難しいものがありました。読み上げライブでは、女性が読み上げるため、独白の原稿が好ましいのですが、官能小説の多くはそのような構成になっていません。そのため、新たにオリジナル原稿を作成する必要がありました。

また、たとえプロの読み手であっても連続で30分読み続けることはできません。声が持つのはせいぜい10分くらいです。官能小説の多くは長く、10分で読み終わる作品はほとんどありませんから、10分以内でストーリーが完結するように作品を書かなければなりません。ライブでは10分程度の作品を、休憩を挟み3〜4作品ほど読み上げます。

先述のように、読み手が女性であることを最大限に活かすとすれば、女性目線の体験談が最適だと考えられます。しかしながら、客観的な作品で読み上げをしてほしいという意見もありますので、両者の立場に立ち、心の動きを巧みに描写するような作品も読み上げの題材にすることもあります。

読み上げは自動音声でも可能です。原稿を読み上げる音声合成ソフトも安価で手に入るようになりました。また、キンドルなどの電子書籍も読み上げに対応してきました。アマゾンはAudibleというオーディオブックのサービスを始めたりと、人間が読み上げる必要性がなくなってきています。しかしながら、どうしても生の声を聴きたいという要望があり、このサービスを提供するに至りました。AI全盛の時代だからこそ、人間の温かみが求められているのかもしれません。

読み上げるキャストはプロとアマチュアの両方を揃えました。プロの声は澄んでいて聞き取りやすいのですが、どうしても機械的で冷たい感じがします。一方、素人は音声にキレがなく拙いのですが、それが逆に新鮮だという意見があります。プロの読み上げに恥じらいはなく力強い、素人の読み上げには恥じらいがあります。

同じ作品であっても、読み手によって受ける印象は大きく異なります。一度読み上げライブで聞いたという作品であっても、読み手が変わればまったく別の作品を聞いているように感じます。

読み手を見つけるのはなかなか苦労しました。友人、知人をあたっても、ことごとく断られました。ギャラを高くしてもそういう問題ではないと冷たくあしらわれました。官能小説は文学作品ではあるのですが、一般の方にはどうしても「アダルト」の範疇と考えられてしまうため、敬遠されてしまったのです。また、読み上げる内容にどうしても性的な内容が含まれるため、女性が恥ずかしいと感じるのも無理はありません。

著作権も大きな問題でした。一冊の本を不特定多数に読み上げてしまうわけですから、映画を許可なしに上映してしまうのと同じことになります。解決法は全員が同じ小説を購入したうえで読み上げるという条件で出版社と交渉することでした。もちろん、作家によりますが、上記条件でおおむね合意にいたします。しかしながら、読み上げライブの特徴が独白であり、そのような作品はほとんど存在しません。結局、オリジナル作品を作ろうということになりました。一般オリジナル原稿をはじめ、作家によるオリジナル短編、公募作品などをバランスよく使用します。

このような困難な誕生秘話がありましたが、これからはサービスを全国に広げていきたいと思います。生中継も提供予定です。

官能小説という芸術作品

官能小説はもっと評価されても良いのではないでしょうか。書店でも官能小説は片隅に追いやられていたり、目立たない場所に置かれています。成人向けアダルトコンテンツの扱いを受けています。確かに成人向けの要素もあるのですが、文学作品としての側面もあります。歴史的に見れば官能小説は文学作品として扱われています。

1860年代にヨーロッパで始まった耽美主義は生活を芸術化するという点において、官能小説の原型そのものと言って良いでしょう。日本においては谷崎潤一郎の作品が文学作品としての官能小説の始まりと言えるでしょう。

官能小説には徳治の言い回しがありますが、検閲を逃れるために様々な表現が使われるようになったと言われています。そのような文化的側面を垣間見ることができることも官能が文学作品である証左であると言えるのではないでしょうか。

老若男女を問わず、官能小説の隠微な世界に魅了される人は少なくありません。文字から想像力を働かせ、自分なりの世界観を構築するプロセスは他の動物では決して真似できないことです。

想像力を働かせるという行為は、人間の中でも知的好奇心の高い人に好まれる傾向があります。病的なものを除き、いわゆる変態と言われる性癖はIQの高い人に多いと言われています。単に生行為をするだけであれば生殖行動に他なりませんから、知能ではなく、本能に基づいています。変態と呼ばれるような行為は行為の前に考えるという行為が介在します。つまり、知能の高い人だけに使われるのです。

官能小説は文字のみから想像力を働かせ、自分のキャンバスに絵を描き、色をつけていきます。IQが高くなければできない行為です。「長いトンネルを抜けると雪国であった」と言われたらその光景が頭に浮かぶでしょうか?文学作品を楽しむには、このような「想像」プロセスが不可欠なのです。官能小説も文学作品ですから、楽しむためには想像力が必要なのです。

現代人は想像力が欠如しています。映像の頼りすぎとも言えるかもしれません。確かに画像は便利です。文字にすれば100文字必要な描写を1秒で描き出すことができるかもしれません。例えば「夏の暑い日に、30半ばの浴衣を着た清楚な女性が、縁日で金魚すくいをしている」という描写は1枚の絵面で表すことができます。しかし一方で、その絵に描かれているイメージは固定されます。自分の好みの女性をそこに登場させることはできなくなってしまうのです。縁日も自分が幼い頃に行ったお祭りの縁日を重ねることで特別な感情をそこに移入することができるのです。

インターネットの普及により、かつては有料で配信されていたようなアダルト動画が無料で閲覧できるようになりました。アダルト動画に希少価値があった時代には「裸」に価値があったのかも知れませんが、裸がそこら中にある環境の現代では、ほとんど価値がないと言えるかも知れません。

考えてみれば映像の歴史はそれほど長くありません。音声、文字、映像という順序で発展してきたのですが、徐々に想像力は不要になっていきます。現代人は映像に飽きてきているからこそ、音や文字がもてはやされるのだと思います。ASMRの流行からも現代人は「想像力」に飢えているのかもしれません。映像全盛の時代にラジオが根強い人気があるのもうなづけます。

官能小説朗読の楽しみ方として、読み手の表情を楽しむこともひとつですが、目を閉じて瞼に浮かぶ映像を楽しむのも良いかもしれません。